(浜田青陵 著「エジプト雑記」文藝春秋、昭和4年より)
カイロの騷がしい埃の町、出迎へて呉れた案内者サラーも宿屋の感じも、私達に所謂「オリエント」の惡い方面ばかりを印せしめた。此の遊覽地本位の市の、旅客に接する土人と埃及居住者とは、「ホテル」の番頭、給仕人、案内者、商店員と言はず、凡てがたゞ出來る丈けの利益を短時間のうちに占めようと考へ、其の極禮儀や節制をさへ失つてゐるらしく、此の金錢關係以外に、我々と彼等との間に何等人間的の交渉は成立してゐない。

2010年2月24日水曜日

ムガンマで楽しくビザ更新

大きな声では言えませんが、今回の派遣ではエジプトに観光ビザで入国しました。空港で取得した観光ビザは1ヶ月で切れるので、更新しなければなりません。

そこで出向くのが、タハリール広場の巨大ビルディング、 
ムガンマ。。。
















ムガンマなんて恐ろしい名前だけど、「複合体、集合体」を意味する正則アラビア語のmujamma3 (3は有声咽頭摩擦音)のエジプト弁 mugamma3で、「政府総合庁舎」の意味です。
ビザ更新の2010年2月23日時点での最新情報を記しておきます。

正面玄関から入る際に保安のためにバッグはスキャンされます。担当者が必ず聞くのが「カメラがあるか」。館内は撮影禁止です。

事前準備として、パスポートの顔写真のあるページと、入国の際のビザと、現在有効のビザ(私の場合は該当せず)のコピーと、顔写真を持っていったほうがいいです。コピーと写真は正面玄関入って右側でも調達可能です。イスマイールは街中で済ませていきました(コピー1枚4円強、パスポートサイズ写真は8枚綴りが185円程、その場でやってくれます)。

まず2階に行き、壁側の机の上においてあるビザ更新申請用紙に記入し、12番窓口に(1)パスポート、(2)書類、(3)コピー、(4)写真を提出します。そこでイスマイールは、窓口のオバサンさんに、42番窓口に言って11.5ポンド(190円)の印紙を買って持って来るように言われました。42番に行ったらパスポートが必要だと言う。12番に戻って、42番にパスポートを求められたと言うと、そんなはずはないと、親切にも紙切れに11.5と書いて、これを持って42番に行きなさいと言う。42番に戻って窓口の名前を見ると「紛失パスポート」とある。印紙を買うのは43番でした。12番のオバサン・・・違うじゃないか。紛失パスポートのセクションでパスポートを見せろというのは一体・・・?

印紙を12番に持っていくと、オバサン、「2時間後に38番窓口」・・・。

2時間後に38番に行っても、まだ日本国の赤色パスポートは見当たりませんでした。一応窓口のオバサンには、嫌みにならない程度で「日本のパスポート、まだですか」と3回声をかけておきました。2時間後からさらに40分経って、オバサンの手に日本国パスポートが回ってくると則こちらを見て渡してくれました。新しいビザを見てびっくり。申請書に3ヶ月のビザが必要と書いたところ、もらったビザは入国の日から3ヶ月でした。私がエジプトを出国する翌日まで有効のビザでした。危なかったじゃないか。所要時間、しめて2時間40分。

実は、イスマイールがムガンマに行ったのは朝9時でした。だから早めに済んだと思われます。最悪のパターンとして、仮に、ムガンマ到着が10時以降で、バッグの中にカメラが入っていて入り口で預ける羽目になって、12番には10人の先客がいて、窓口にたどり着いたら写真とコピーが必要だと言われて、1階の写真・コピー屋は行ったら15人先客がいて、12番に戻ったら先客が増えていて、43番各窓口に行ったら15人くらいの先客がいて、12番に戻って先客が増えていたら、かなりのストレスが精神に加わると思います。また、38番窓口は午後2時半までなので、翌日へ持ち越しとなる可能性があります。そうなったら、「だから」エジプトはひどい、ムガンマはきらいだ、となりかねません。


しかし、エジプトに来る前にイスマイールは外国人客員研究員をお世話して、自ら入国管理局横浜支部まで、そのかたの文化活動ビザの申請にいったのですが、ムガンマのほうがましでした。日本在住の外国人の気持ちになれます。



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